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11年10月13日 町村長コラム 原村長コラム vol.2(広報はら 平成23年10月号より)

 話題の映画「岳―ガクー」を見ることが出来ました。八ヶ岳自然文化園で復活した夏の夜の風物詩、星空の映画祭においてです。星空の映画祭は多くの人々の熱意と奉仕に支えられて復活したものであり、関係の方々に深く感謝するところです。
 映画は山岳のもつ美しさ、雄大さと厳しさが余すところなく表現されていて、登山家を以って自認する私でも怒迫力の画面に圧倒されて、時間の経つのを忘れる程でした。この映画は県内で撮影されていて安曇野からの秀麗な北アルプスの景観や、朴訥な風物の描写は納得のものでした。長野県警察山岳救助隊のある北部警察署は大町山岳博物館に設定されていますが、急を要する救助出動の様子は、迫真せまる現場の状況を映し出して、救助に従事した当時のわが身を思い起して、思わず熱くなりました。登山者の、命を思わない不用意な行動と、それを救おうとする救助隊員の使命感、隊員の身を危険に晒しながらもその命を守らなければならない隊長の悩みなど、冷徹厳正に描き出されて今更ながらに命の尊さについて考えさせられます。
 ところで映画の中で、小栗旬演ずるところの主人公三歩が時々漏らす「山で捨ててはいけないものは命とゴミ」の言は、この映画制作の真髄をなす理念だと思います。最も訴えたいテーマです。私もこの夏、親しい山の仲間を2人も山で失いました。遭難ではなく突然死だったのですがやはりいけません。山のプロフェッショナルをもって鳴る山やの、永遠のテーマであることを強く感じます。物語りは長澤まさみ演ずるパートナーも三歩自らも、この禁を破って危険にわが身を投入してしまうのですが、2人が謳う人間性への賛歌、そして命とは何か改めて問いかけています。
 命の尊さ、極限の時にこそ表れます。私たちはそれをしっかりと心に留めて、日常生活を生きて行かなくてはなりません。

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